月別アーカイブ: 2014年5月

賃貸借契約の家賃保証会社とは

 

今回は、賃貸借契約で増えている家賃保証会社についてです。

 

 

最近では、賃貸物件の募集時に『家賃保証会社への加入が必須』というのが増えてきました。

この家賃保証会社というのは、賃貸物件の延滞が起こった場合に保証会社が貸主に対して家賃を保証する会社です。

 

入居者は連帯保証人を付ける必要がないため、個人の審査で賃貸物件が借りられます。

 

賃貸と言えば親御さんや親族が連帯保証人になるケースが多かったのですが、晩婚化に伴い親の年齢も高齢になっているため、退職して収入が無かったり、連帯保証人の死亡リスクなども考えると高齢の親御さんでは審査が通らないケースも増えています。

中には連帯保証人としての認識が薄く、契約者が滞納した賃料の支払いを求めても渋る連帯保証人も多いと聞きます。

 

こうしたケースでは家賃保証会社の存在は、入居者、貸主ともに助かるのではないでしょうか。

 

気になるのは、初めから家賃保証会社への加入が必須となっている物件です。

賃料が高額であれば個人の負担を減らすうえでも仕方ないでしょう。

 

ただ、そうでないケースも多く、一般的なワンルームマンションでも保証会社への加入を必須としている募集も見受けられます。

保証会社は一般的に賃料と管理費の月額合計金額の30%~100%を保証委託料として受け取り、保証をする契約が多いのですが、こうした初期費用を抑えたい入居者もいます。

このパーセンテージは、保証会社によって違いますし、保証会社への連帯保証人の有無によっても変わってきます。

こうした保証料は、賃借人からすると初期費用となりますので、保証会社への加入が必須条件ということがネックとなり、申し込みが流れてしますケースもあります。

 

管理会社の審査も様々で、保証会社の審査さえ通ればいいという賃貸管理会社もありますので、審査基準も条件も各社でかなり違います。

 

仮に保証会社に加入することが絶対条件であれば、今度はどういった内容の保証会社なのかが重要になります。

もし保証会社が倒産したら?

そう考えると、単純に保証会社がつけばいいんだ、という審査は危険に感じます。

 

賃貸の保証会社も様々で、大きく分けると2種類に分けられます。

 

信販会社(クレジットカード会社)系と一般の独立企業系です。

 

どちらも民間企業ですが、それぞれが独自の審査基準を持っています。

仮に独立企業系の保証会社で審査が落ちても、信販系で審査が通るケースもありますし、またその逆もあります。

 

そして保証会社のシステムも2つに分かれます。

 

集金代行型と請求型。

 

集金代行型は、保証会社が家賃を集金してから賃貸管理会社へまとめて支払う。

請求型は、延滞が起こった場合に保証会社へ連絡をし、後日滞納分を入金してもらう。

 

集金代行に関しては、信販系が多いと思います。

自社のクレジットカードを作ってもらい、そこから引き落としを行う。

もちろん独立企業系の保証会社でも引き落としを行う会社もあります。

 

大手の保証会社であれば、その資金力から倒産するケースも少ないでしょう。

最近は保証会社の倒産をあまり耳にしていません。

 

個人的には大手企業または大手の信販会社系以外は、請求型がいいと思っています。

 

多くの賃貸管理会社は、家賃保証会社を数社に絞ってお付き合いしています。

万一、集金代行型の家賃保証会社が倒産すると、多額の入金が滞ることになります。

逆に請求型であれば、自社で入金の管理を行いますから、滞納が起きない限り保証会社へ連絡することはありません。

家賃保証会社が倒産しても、連帯保証人が居なくなるという事態にはなりますが、入金はあるのです。

これが集金代行型の賃貸保証会社であれば、正常に支払われていた家賃までもが遅れることになり、なおかつ連帯保証人を失うことになるからです。

 

こうして未入金になってしまった家賃はオーナーへ入らなくなります。

 

賃貸管理会社が審査したんだからオーナーに家賃が入らないのはおかしい!

 

そう思う方もいるかもしれません。

しかし、賃貸管理会社は家主の代理として業務を行っているので、管理会社が行った審査はあくまでも家主から委託されている審査をしているに過ぎないのです。

 

こうしたことを考えると、きちんと審査することがやはり大事だということがご理解頂けるでしょう。

 

賃貸管理会社はどこも一緒だろう?

 

そう考えている方は、少し考えてみるもの大事だと思います。

 

以前、弊社へ管理を移行されたオーナーさんは、ちょうど保証会社が倒産した時でした。

その保証会社はわれわれも全く聞いたことがない会社でした。

おそらく安易な審査を繰り返していたために、滞納が起こり資金繰りを圧迫したのでしょう。

 

その時の言葉が、『賃貸管理会社はどこも一緒だと思っていた。』です。

 

こうした事情を知ることは、オーナーにとっても重要だと思います。

 

なにか起きてからでは遅いですからね。

 

 

ではまた。。。

 

 

滞納させない連帯保証人審査 5つのポイント

前回は入居者のポイントについて書きましたが、今回は「連帯保証人」についてです。

 

連帯保証人になれる方についての決まりは、各賃貸管理会社でさまざまだと思いますが、弊社の決まりはとてもシンプル。

 

『親族』 のみです。

 

連帯保証人が親族の場合、やはり滞納は起きにくいです。

入居者も親族に迷惑をかけるのは心苦しいのでしょう。

 

一方、連帯保証人が友人・知人の場合はやはり他人ということもあり、入居者もいざとなったら迷惑をかけることも・・・

ですか連帯保証人は『親族』に徹底する。

 

そして今回ご紹介する連帯保証人の審査についてですが、年齢や勤務先、収入など、入居者の審査と重複する箇所が多いです。

ですので、連帯保証人ならではの5つのポイントをご紹介したいと思います。

 

まず重要なのは

 

1.持ち家かどうか?

連帯保証人が賃貸に住んでいる場合は、理由がはっきり確認できない限り受け付けない方がいいでしょう。

親族の場合、親御さんもしくは兄弟、叔父や叔母といったケースが多いですが、やはりある程度の年齢になっていれば持家で定住するのが一般的です。

それが無いというのは、連帯保証人になってもどこかへ行ってしまう可能性があるのです。

 

 

2.住宅ローンの残債が適正かどうか?

連帯保証人が持家の場合、必ず登記簿謄本を取ります。

職業と収入から見て、退職までに住宅ローンが終わるかどうかを判断します。

退職してから住宅ローンを払っているのでは、遅れた家賃を払うのも一苦労でしょう。

 

 

3.東京から1時間~2時間で行ける場所か?

賃貸の物件が東京で、連帯保証人が遠方の場合は断るケースもあります。

相当安定した職業でない場合を除き、遠方の連帯保証人は十分検討しなければなりません。

たとえば入居者の家賃が遅れて連絡をしてもなかなか払わない方だと、滞納を回収する手段が限られてしまいます。

遠方をいいことに、払い渋る人もいます。

残念ながら親御さんでもまれにこういう人は出てきます。

自分たちが直接会える距離の連帯保証人さんであることが望ましいので、遠方の場合は他の親族にお願いします。

東京近辺に親族がいるケースかなりあります。

 

 

4.きちんと話ができる人かどうか?

バカみたい思うかも知れませんが、話にならない人もいます。

とにかく軽い返事の人はお金を払いません。

何を言っても「あ~わかったわかった、聞いてる聞いてる、うんうん大丈夫」

この返事は要注意。

こういう方は滞納の連絡をしても、「本人に払うように言っとくから。」

と電話をすぐ切ります。

連帯保証人の意味を説明していたとしても、やはり聞いてないです。

 

 

5.携帯、自宅の電話がつながるか?(話せるか?)

滞納が起こって連絡をしても、常に留守番電話の家があります。

一度連絡しても、都合が悪いと出ない人もいるくらいです。

留守番電話に入れても折り返し連絡をいただけない方もいる。

やはりきちんと連絡がつく手段は必要になってきます。

 

 

ご覧いただくと細かいことばかりだと思います。

でもこうした細かいところが滞納を出さない入居審査をするうえで重要です。

ちょっとしたひと手間。

なんか料理みたいですが、これをやっているのとやっていないのとでは雲泥の差です。

 

連帯保証人の審査では

『収入』・『定性』・『人物』

この3つが重要です。

 

収入があるからいいだろう、という机上の審査だけでは確度はあがりません。

やはり人を相手にしている訳ですから、どんな人か知ることは重要です。

連帯保証人の書類をひととおりいただいてから確認の電話連絡をした際に、「ほんとは連帯保証人になるのは気が進まない、息子がうるさいからしょうがなく送ったんだ」と言われたケースもありました。

もちろん審査は☓です。

 

どのような親子関係かはわかりませんが、現実にこういうことがあるのです。

 

やはり賃貸管理は奥が深いですね。

そしてドラマがあります。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

滞納させない入居者審査 5つのポイント

賃貸オーナーが最大限の収益を得るためには

 

1.満室経営を目指すこと

2.収益のロスを出さないことです。

 

満室経営を「攻め」とするならば、収益のロスは「守り」です。

 

絶対防がなければならない「守り」は「滞納」を出さないことです。

特に滞納は長期化する可能性がありますので、気を付けなければなりません。

 

そのために大事なのは賃貸の入り口である『入居審査』です。

この入居審査で滞納が出るか出ないかがほぼ決まってきます。

 

そこで今回は、私が必ずチェックしている5つのポイントについてお伝えしようと思います。

 

 

1.現在の住まい

引っ越すには必ず理由があります。

なぜこの物件に引っ越すのか?

現在の住所を見れば申込書からでも予測はできます。

この理由がはっきりしない人は「訳あり」の可能性も高くなりますので、詳しく理由を聞く必要があります。

 

2.年収

当然ながら収入がなければお部屋を借りることはできません。

年収がいくらで、月額の給料はどれくらいなのかを把握する必要があります。

そして申し込みをしたお部屋の賃料が収入の何パーセントかを見ます。

月額の収入で見る場合は、可処分所得(手取りの給料)がいくらか?

そこから賃料を払ったらいくら残るか?

一人暮らしでも家賃を払って数万円しか残らないのであれば、生活できませんから。

 

 

3.勤務先

私たちは勤務先の業種や規模で大方の収入予想はできてしまいます。

これもノウハウに入るかも知れませんが、業種や職種で収入が違うんです。

規模や業歴、業績も調査します。

大手であれば転職や希望退職をのぞき、なかなかやめる方はいません。

規模が小さければ専門機関での調査も行います。

インターネットで会社のホームページも見ますが、中には規模が小さくホームページのない会社もあります。

その場合は会社の住所まで実際に見に行くこともあります。

ダミー会社やペーパーカンパニーだったら大変です。

会社が存在するかどうかは重要ですから。

 

 

4.勤続年数

年齢と見比べて適正な勤続年数かどうかは、その方がどのようなスタンスで仕事をしているかを表します。

転職が多い方は今の収入が続くかどうかも考慮しなくてはいけません。

申込書に記載された勤続年数も見ますが、主に健康保険証で勤続年数をチェックします。

健康保険は入社すると加入しますから、「資格取得日」が勤続年数の基準です。

あまりにも直近であれば、最近転職したのか?それとも会社の合併等で新しくなったのか?を聞かなければなりません。

 

 

5.年齢

最近では晩婚化と言われるほど、男女ともに結婚が遅いと聞きます。

そんな中でも40代前後の一人暮らしの方へは仲介会社を通じてヒヤリングをします。

いちばん気になるのは男性の離婚の有無。

もし、離婚しているなら養育費などの支払いも考慮して審査をする必要があります。

その他にも年齢は将来を予測するうえで気にする必要があります。

年頃の方なら結婚による退去も想定しなければならないです。

業種と職種によって、一概に年齢ではわからないところもありますが、目安にはなります。

 

 

 

あくまでも入居審査はトータルで考えなければいけません。

当然ながら入居申し込み者だけで判断する訳ではなく、連帯保証人や保証会社利用の有無も関係します。

 

申し込み者の弱い部分を連帯保証人や保証会社がカバーできればいいわけです。

ただし、保証会社に加入するからいいだろう、という審査はやってはいけません。

家賃を支払うのは実際に住む方。

連帯保証人や保証会社は「保険」です。

 

 

本人がきちんと払ってくれれば何の問題もないわけです。

これがいい加減だと、家賃が遅れた際に電話をしたり訪問したり、督促したりと、多くの労力を使います。

 

 

どうすれば入居審査を通すことができるか?万が一の保全をどうするか?

こう考えて審査を行う。

そして住んでもらうための方法を提案することが大事です。

ここが弱いからこうしてもらえないか?といった具合に。

 

 

入居審査を縦割りで行っていては、対象者が減るばかりです。

だから柔軟に対応する努力が求められます。

 

 

私たちが管理したお部屋である法人契約の申し込みが入りました。

空室のひと部屋は弊社、もうひと部屋は他社が管理していました。

中小企業の法人契約でしたが、私たちの審査では通りました。もちろん入居してもらうために細かい調査を行いました。

こちらの条件も了承してもらい保全も取れました。

しかし他社が管理しているもうひと部屋では審査が落ちてしまったのです。

その法人はふた部屋じゃないと契約する意味がないと言い、結果としてキャンセルになってしまいました。

 

 

きちんと調査をして、なおかつ契約してもらうための条件も承諾してくれたのに。。。

残念で仕方ありませんでした。

おそらく他社では「契約する前提」「住んでいただく前提」で審査をしていないのでしょう。

社内で決まった方法で審査をし、そこから少しでも外れると審査は通らない。

社内的には楽な審査だと思います。

〇☓形式で答えが出るのでしょうから。

 

 

でも、これを知らないオーナーさんはどうなんでしょう?

せっかく空室を埋めるチャンスをつかんだのに、賃貸管理会社が勝手にそのチャンスから手を放したに過ぎません。

 

賃貸管理会社のよって審査基準が違うので仕方ないと言ってはそれまでですが。。。

 

こういうのって残念です・・・

 

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

 

収益を上げる賃貸管理⑩『滞納を減らす』

第10回目の今回で『収益を上げる賃貸管理』は最後となります。

そして最終回の今回は『滞納を減らす』についてです。

 

 

オーナーが収益を上げるうえで重要なのは、きちんと賃料を受け取ることです。

いくら高い賃料で契約しても、滞納によって家賃が回収できないのであれば、意味がありませんよね。

ですから滞納を出さないためには適切な対処が必要です。

 

私の経験からすると、滞納する入居者は入居申し込みをもらった時点でだいたいわかります。

絶対とは言い切れませんが、「怪しいな」というレベルでだいたいわかります。

 

どこの賃貸管理会社でも、空室が長くなるとなるべく早く賃借人を付けたいので審査がゆるくなることがあります。

でもこうした苦し紛れの審査が滞納を招くことになるのも事実。

 

古いアパートなどでは家賃も安いので、部屋を借りる予算があまりない人が集まりがちです。

もちろん入居者も保証会社に加入する予算もない。

連帯保証人に予定している身内も高齢だったり、安定した収入が無かったり。。。

厳しい内容も多いです。

中には兄弟でも連帯保証人を断るケースもあります。

 

事情は分かりませんが、賃貸管理にはドラマがあります。

 

連帯保証人がいない、保証会社に加入する予算もない。

それでも審査を通している契約をいくつも見たことがあります。

これで家賃の滞納が起こったらどうするんだろう?

これじゃ回収するの大変だぞ・・・

私たちが賃貸管理を依頼されたら、ヒヤヒヤもんです。

 

どんな契約であろうとも、最低限、連帯保証人や保証会社に加入させるべきです。

保証会社に加入する予算が無いのであれば、オーナーが費用を負担してでも保証会社に加入してもらった方がいいです。

もし、連帯保証人も保証会社も付けないで滞納が起こったら、その損失は保証会社に加入する費用の何倍にもなります。

 

滞納の怖さは、長期化です。

 

長期的に収益が途絶える(上がらない)ことが賃貸経営でいちばんのリスクです。

 

家賃が1か月、2か月遅れてても、払っている入居者は、なかなか出て行ってもらうことができません。

おそらく裁判しても認められないケースが多いでしょう。

裁判所はあくまでも数か月の滞納が見られ、長期化しているものに限り「滞納」と認める傾向にあります。

数か月遅れていても、家賃を払っているものはなかなか滞納と認めてくれません。

借家人はかなり法律で守られています。

 

こうした契約が長期化すると、手間もかかりますし、オーナーにとっても収益が遅れる分、収益率が悪くなります。

もし夜逃げでもされたらその費用は半端なく高くつきます。

しかも賃料の回収見込みは無いに等しい。

 

滞納の怖さは経験しないと分からないかもしれません。

下手をすると家賃滞納が発生したせいで、賃貸経営自体が破たんすることだってあります。

家賃が入らないどころか、引っ越し代を払って出て行ってもらうケースも耳にします。

それだけ費用が掛かるのです。

 

そのためにも出来るだけ審査の段階で未然に防ぎ、起こってしまった滞納に関しては1日でも早い対応が必要です。

遅れたらすぐに電話。

電話に出なかったり、折り返しの電話が無ければすぐ訪問。

これは徹底するべきです。

対応が遅かったり、ゆるく優しくしていると入居者もどんどんルーズになります。

滞納には初動が大事。

滞納が起こったらすぐにビシッと対応をしてください。

それが長期化を防ぐキーポイントになるのです。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

 

 

 

収益を上げる賃貸管理⑨『建物のリフォーム』

第9回目の今回は『建物のリフォーム』についてです。

 

 

大手の不動産会社が管理していた1棟マンションを私たちが管理をし始めて、収益が改善したケースがあります。

築年数は25年。

 

以前の賃料は45,000円~60,000円

 

部屋の広さによって賃料の高低があります。

 

管理が変更した時の直近の契約賃料が、小さい部屋で30,000円台後半。

 

私たちが管理をする際には、直近の契約が賃料がいくらで貸し出されたかを見て、今後の予想(覚悟)をします。

大手の管理会社からは「もう築年数も古いのでこれが相場です。」と引き継ぎを行いました。

管理変更をした後に地元の賃貸仲介業者を何件もまわりましたが、「あのマンションは安いから入るんです。」と言われた物件です。

 

では、どうやって収益を改善させたか?

 

細かくは書けませんが、物件を見たときに何点か気になる個所がありました。

 

その一つは入居者の動線。

オートロックの物件でしたが、1階に事務所があり、正面の入り口は事務所用になっていました。

入居者はエントランスの数メーター脇にある入口から出入りをしているのです。

私がそのマンションを訪れた時に迷ったくらいの場所です。

これには違和感を覚えました。

 

そこで、入居者の導線を考えたオートロックの移設と、エントランスの簡単なリフォームを行いました。

入居者の目線で考えると、このマンションに誰かを呼ぶには入口の説明が必要でとても不便です。

そして見た目も暗い感じで、見栄えがしません。

そうなるとこのマンションの魅力は「安い家賃」ということになるのでしょう。

これはもったいない。

少し手を加えれば見栄えもよくなり、安さだけが魅力のマンションではなくなります。

 

建物のリフォームは『視点』が重要です。

 

入居者目線で考えたらどうなのか?

そして

入居者の不便はどこなのか?

入居者だけではなく、友達が来た時にどう思うのか?

きちんと人の目を気にする必要があるのです。

 

そうすると見えてくるのです。

最低限やらなくてはいけない個所は?

優先順位は?

そして重要なのが

『いかに安いコストでそれらを改善するか?』

 

ここがポイントです。

 

こうした改善を行うと賃料(収益)が上がります。

ちなみにこの物件の現在の賃料・・・

必要最低限の工事を行い募集したところ、10,000円近くアップして、現在50,000円近い賃料で満室です。

 

建物のリフォームは、やるべきポイントの把握と工事コストの管理が大事ですね。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理⑧『家賃保証』

第8回目の今回は『家賃保証』についてです。

 

 

1棟1室.comでは『家賃保証』というサービスメニューが有りません。

『集金代行』のみです。

 

このブログをご覧になる方にも家賃保証契約をされているオーナーさんも要ると思います。

ですから、はじめに結論をお伝えします。

 

「今すぐ家賃保証契約をやめましょう。」

 

なぜならオーナーの収益が上がる仕組みにはなっていないからです。

 

どんな賃貸管理会社でもいいですが、家賃保証の規定をまずは見てみるといいでしょう。

 

「査定賃料」の〇〇%や「保証会社加入」「免責期間」などの条件が必ずあります。

 

そして「〇〇年一括借り上げ」などのアパート建築でも、家賃保証契約書には家賃の見直しや減額ができるように規定されています。

こうした長期借り上げは保証は、アパート建築、マンション建築を提案する際の、後押し材料に過ぎないからです。

 

営業マンは言うでしょう。
「お部屋は弊社が借り上げますので、安定した家賃が受け取れますよ。だからご安心ください。」

 

こうして背中を押されるわけです。

 

でも契約書には「ずっと同じ賃料で」とは書いてありません。

オーナーは数年後に気付くでしょう。

 

なぜか?

 

数年後にまた営業マンはやって来くるからです。

 

そして今度はこう言うでしょう。
「周辺の家賃相場が下がってまして、今の賃料では保証できなくなりました。」
「契約書にもその旨記載してありますので・・・。」

 

これが現実です。

 

お分かりだと思いますが、「負けない勝負」しか家賃保証契約はしないのです。

もし、無理な家賃保証をしていたら、いずれ経営を圧迫し、倒産してしまいます。

 

投資用マンションや一部の1棟アパート・マンションでは、サブリース会社が家賃保証するケースもありますが、ここにも同じようなリスクがあるのです。

 

そしてサブリース会社が倒産したらもっと悲惨です。

サブリース会社や販売会社が高い家賃保証をしてくれるのであれば、それはリスクがあると考える方が良いでしょう。

高い家賃で借りてくれる入居者を確保し続けるか、建物を売り続けなければ、どこかでマイナスが生じてしまうのです。
止まったら倒産する危険が出てきます。

自転車操業状態に陥ってしまうケースがあるということです。

 

オーナー自らがこうした仕組みを知る事も、収益を上げるうえで重要なのです。

そうすると私たちが「集金代行」に特化した理由がご理解いただけるでしょう。

 

家賃保証のリスクについては、サイトの方にも詳しく書いていますので、もっと詳しく知りたい方は『家賃保証リスクについて』をご覧ください。

 

 

では、また。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理⑦『賃貸募集』

第7回目の今回は『賃貸募集』についてです。

 

 

賃貸募集のタイミングは各社さまざま。

入居者が退去してから募集をする会社もあれば、退去前から募集をしている会社もあります。

 

ではどちらのタイミングがいいのか?

 

これは間違いなく退去前からです。

 

私たちは解約通知が届くと入居者へ確認の電話をします。

そして同物件と周辺の物件の空室(募集)状況を調査し、新規の募集賃料をオーナーへご提案しています。

 

オーナーからの回答が届くまでに募集図面を作成しておき、募集に備える。

そしてオーナーから回答が届き次第、募集を開始します。

 

退去前から募集をするには理由があるのです。

 

1.賃貸仲介業者の反響を把握できるから

2.賃貸仲介専門の会社が事前把握することで、入居者へ紹介しやすいから。

3.一般の方からの問い合わせもあるから。

 

こうしてなるべく早く情報を公開することで、賃貸募集にはいい影響があります。

 

私たちはこうした情報公開を惜しみませんが、中には情報を出さない業者も多いです。

とくに賃貸仲介を行っている会社が賃貸管理も行っている場合は情報を抱え込むケースが多いです。

 

気になる方は『賃貸管理の種類』をご覧下さい。

 

また、賃貸の申し込みや契約のタイミングも各社で違います。

 

退去前の事前契約をするか?しないか?

 

貸室を実際に見るまでは契約しないという賃貸管理会社もけっこうあります。

でもこれってどうなんでしょう?

収益を生むタイミングをどんどん遅らせていると思うんです。

 

当然ながら対象の部屋が二重契約になってはいけません。

でも同じマンションの同タイプの部屋をすでに見ていて、入居のタイミングが合わずに募集が出るのを待っていたという方もいます。

私たちはこういう方はOKだと判断しています。

もちろん確認のために退去してから部屋を見てもらいます。

 

逆に事前に申し込みはするけど、部屋を見てから最終的に決めます、という申し込みは断ります。

申し込みは優先予約ではありません。

このケースで契約が流れるケースも経験しましたので、そういう風にしています。

 

きちんと契約する意思があって申し込みをするのであれば話は別ですが、『軽い気持ち』の申し込みは受け付けません。

事前に写真を見たり、しっかりと検討したうえで申し込みをしていただく方のみです。

事前契約でもこうしたルールをきちんと作らないと、ダメなんです。

 

たとえば申し込みが入って、契約もすると言っていることを信じて他の募集を断っていたとします。

でも急にキャンセルになったらどうでしょう?

他の見込み客も逃した上に空室となるのです。

 

これはリスクです。

しかもオーナーの収益に直結します。

 

問い合わせいただいた方がまた戻ってくるとは限りません。

すでに他の物件に決めているケースもあるでしょう。

これでは収益を上げるどころか、逆に収益を減らしかねない。

 

こうしたリスクをコントロールするのも、賃貸管理業務をするうえでは重要です。

 

募集の仕方で結果が変わりますから、賃貸管理会社の意識は重要です。

 

良い管理会社は、今よりもっと良い方法がないか?常に新しい方法を探っています。

疑問を持たなければ成長しませんね。。。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理⑥『原状回復』

第6回目の今回は『原状回復』についてです。

 

 

賃貸経営では退去した際に原状回復工事を行いますが、この工事期間はどうしようもない空室期間になってしまいます。

私たちは退去後7日以内で現状回復を行うことをルールに行っていますが、部屋の状態は退去の立ち会いをするまでわかりません。

それでも原則7日以内で終わらせることを使命だと思っています。

 

なぜなら、早期に原状回復を終えることで入居者を案内できる期間が早くなるからです。

もし、退去前から問い合わせがあったり、事前に申し込みをしたいという方がいれば、早期に原状回復をすることで1日でも早く収益を生み出せます。

 

そのためにも、原状回復工事を後回しにはせずに、早期原状回復の徹底を心がける。

やっぱりきれいな部屋を見てもらった方が入居者申し込みも入りやすいですから。

 

前回書いた退去時の立ち会いも、この原状回復を行う上でとても重要なんです。

自分たちが退去時の立ち会いを行うことで、その場で原状回復工事の日程を組むこともできますから。

原状回復工事の期間は1円も収益を生みませんから、一日でも早いに越したことはありません。

 

ご自身の物件の工事期間はどうでしょう?

 

気にされることをお勧めします。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理⑤『退去時立ち合い』

第5回の今回は『退去時立ち合い』についてです。

 

 

この退去時立会いは賃貸管理業の中でも、専門業者へ委託している会社が多いです。

大手になればなるほど、他社への委託がよく見られます。

 

オーナーの立場で考えると、この立ち会いを代行業者へ頼むのは原状回復コストがかかることにつながり、支出を増やします。

立ち会い専門業者は多くの場合が内装業務で利益を確保します。

賃貸管理会社は自社の社員を使わなくていいので、業務の軽減または人件費の削減となります。

一方、立ち会い代行業者はサービスで立ち会い代行を行うことで、内装業務を自社に任せてもらえる。

悪い業者だとクロスを張り替えなくてもいい壁まで張り替えて請求します。

 

賃貸管理会社の仕事の軽減とコストの削減、内装工事業者の仕事の受注と利益の確保。

お互いの利害関係が一致している仕組みです。

 

でも・・・

 

これはあくまで業者同士の利害関係です。

そこにオーナーは存在していません。

 

でもお金のしわ寄せは・・・

 

はい、オーナーに行きます。

 

私たちは自社で立ち会いを行っています。

部屋の状態を自社で把握することにより、無駄な出費がなくなるのです。

 

これが代行業者に頼んでいたらどうでしょう?

 

代行業者からの報告しか聞きませんから、部屋の状態、設備の状態がきちんと把握できない。

 

多少の不具合でも問題なく使えるものも多々あります。

それを社内で把握してるのとそうでないのとでは、大きな違いが生じるのです。

社内で状態を把握してれば、入居者にも事前に説明をして了承が得られたりもします。

しかし、把握していなければ入居者へ説明することもないですから、後にクレームとなる可能性があるでしょう。

そしてこれを交換したり直したりすると非常に高くつく。

こうした工事は他の工事と一緒にやった方が安いんです。

 

そしてもう一つ

 

自分たちが把握することで、事前に予想ができるんです。

もしかしたら3年以内に壊れるかも・・・とか

あそこはいつ壊れてもおかしくないから入居者が言ってくるかも・・・とか。

 

こうした準備は入居者に対してもスムーズな対応につながりますから大事です。

そのためにも退去時の立ち会いは自社で行うのがベストなんですけど…。

 

賃貸管理は奥が深いです。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理④『空室期間』

第4回目の今回は『空室期間』についてです。

 

 

賃貸経営において空室というのは致命傷です。

期間が短いに越したことはありません。

 

この空室を埋めるにはきちんとした分析が必要です。

 

入居者は賃料と建物、部屋(設備)のグレード、他の類似物件との比較で物件を選びます。

もしあなたの物件の空室期間が長期にわたるのであれば、そこには必ず理由があります。

そして大抵の場合、上記のような賃料とグレードのバランスが適当でないと判断されています。

 

簡単に言うと

 

『その部屋にその賃料を払う価値があるのかどうか?』

 

こうした視点で『価値がない』という判断になってしまっているのです。

希望する賃料を取りたいのであれば、賃料に見合うグレードに変えていかなければなりません。

もし、お金の問題でグレードを上げることができないのであれば、見合った賃料にする必要もあるでしょう。

そして中途半端な募集を続けると、結果として大きな痛手を負います。

 

仮に10万円の賃料で募集した部屋が3か月空室になったらどうでしょう?

年間の賃料収入は30万円も減ります。

都内の賃貸借契約は2年ごとの更新が多いですから、30万円減ることで2年間で210万円になってしまいます。

 

では97,000円に下げた募集で、空室期間が1か月ならどうでしょう?

 

2年間で約223万円となります。

95,000円でも約218万円。

 

空室期間の長期化は、賃料減額よりも痛手となることがあるのです。

 

自身の物件がなぜ空室なのかという分析の重要性がここにあります。

建物(部屋)は年数とともに古くなり、新しい物件が毎年のように建てられています。

そうした物件とも競合していくわけですから、立地が抜群にいいとか、グレードがもともと高いとか、

他の物件に勝てる付加価値がないのであれば、賃料を含めた総合的なバランス勝負となるわけです。

 

空室期間がオーナーの収益に与える影響はとても大きいです。

繁忙期のような時期はある程度強気で募集しても入居してくれるケースもあるでしょう。

しかし閑散期になったらそうとも行きません。

 

釣りに例えるならば、魚の少ない池でみんなが釣りをしている状態です。

あなたの針にかかるのか、他人の針にかかるかは、仕掛けとエサが重要です。

 

そしてもう一つ重要なのが『情報』です。

 

周りがどんな仕掛けを使っているのか?

どんなエサを使っているのか?

空室を埋めるにはこうした周辺の情報も大切なのです。

 

しかしオーナー自らが情報収集するにも限界があります。

本業をお持ちの方も多いです。

 

現場(賃貸仲介)の生の声を拾うのも私たち賃貸管理業者の重要な業務なのです。

地味な仕事をコツコツと。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理③『支出』

第3回目の今回は『支出』についてです。

 

 

不動産を貸す中で発生している経費は必ずありますね。

建物の規模が大きくなれば、建物自体のメンテナンス費用が掛かりますから、金額も大きくなります。

 

戸建ての場合は主に固定資産税。

 

投資用マンションは1室ごとなので固定資産税と管理費、修繕積立金。

 

1棟のアパート経営は固定資産税と清掃費用。
清掃はオーナー自らやっているアパートもありますね。

 

1棟のマンション経営は規模によりますがかなり多いです。
固定資産税、定期清掃、共用部分の消耗品、エレベーター点検、消防点検、受水槽点検、浄化槽点検、外壁検査などなど。

 

そのほかにも

 

こうした各維持経費のほかに支払う賃貸管理費。

 

オーナーの収入は入ってくる賃料収入から、この各経費が差し引かれて残ったお金が実収益となるわけですが、借入をしている場合は金融機関への返済がありますね。

そして残ったお金が本当の純収益となるわけです。

 

上記の各賃貸経営の中でいちばん経費が削りにくいのは投資用マンション。

なぜなら、建物管理費は自分一人の意志ではどうしようもないからです。

各所有者は物件の近くに住んでいるわけではなく、全国に散らばっています。

そのため、管理組合の運営はすべて業者に委任するケースがほとんど。

オーナー同士のつながりもないので、難しい。

 

その他の戸建や1棟のアパート・マンションはオーナーが1人のケースが多いので、自分の意志で決定することが可能です。

こうした支出を見直すことはすぐにでもできるので、是非やっていただきたい。

 

収入を増やすよりも確実な支出の削減で、オーナーの収益は実質的に増えます。

収益が増えるということは、リスクが軽減できる(余力が増える)ということですから、とても重要です。

 

増えた収益を借入金の繰り上げ返済に使うこともできますし、共用部分や貸室をグレードアップして賃料収入を上げることにも使えます。

販売会社に丸投げの建物管理はあまりいい話を聞きません。

少なくとも相見積もりを取るべきです。

 

私たちの経験上、ほとんどのケースで建物管理のコストは下がっています。

どう下げるかはまた別の機会に書きますが、収益を上げるうえでここを見逃してはいけません。

 

ほとんどのオーナーが賃料収入を増やすことにばかり目を向けています。

賃貸経営で収益を上げるには『収入を増やす』か『支出を減らす』の二つです。

 

そしてこれを実践することで『収入を増やし』『リスクを減らす』ことにつながります。

 

今すぐできること。

 

是非考えてみてください。

 

 

 

ではまた。。。