月別アーカイブ: 2018年2月

問題のシェアハウス投資 (後編)

おはようございます。

ギックリ腰がまだ治らず困っております。。。

運動とストレッチをサボったその隙をつかれました。

自己管理が甘かったですね。。。

 

さてさて、今日は前回のシェアハウス投資の続きを書きたいと思います。

前回はシェアハウス投資の『ミソ』は 『賃料設定』 が関係しているというところで終わりました。

そして販売価格や販売の仕方にも関係する、という内容を書きましたね。

今日はその内容を詳しく下記たいと思います。

 

まず『賃料設定』がなぜシェアハウス投資の『ミソ』なのかというと

ここって相場が有ってないようなものだからなんです。

ちょっと濁した言い方しましたけど、ストレートに言いますねw

ズバリ!

『賃料は売主が勝手に決められる!』

コレなんですよ。

ここがポイントなんですよ。

もちろん限度はあるので新築の1Kよりも高く、って事はないですけど、ほとんどの業者がかなり高く設定します。

悪い言い方をするとココに騙される(惑わされる)んです。

騙される(惑わされる)人って共通しているんですけど

皆さん既にワンルームマンションのような投資用マンションを所有している方なんです。

前編でも書きましたが、販売する営業は投資用マンションを販売してきた営業マンの寄せ集め。

各々の営業マンが元々の顧客に売るわけですよ。

投資用マンションは月々の収支がマイナスでも節税効果等でマイナスが緩和できるので、不動産投資の入口としては入りやすい。

ただ節税効果は徐々に無くなるので(理由は改めて)、大凡ですが所有して5年~8年程度の間に税金は戻らなくなります。 ※この間に複数所有すればもう少し伸びます。

税金が戻らなくなった方にとっては毎月の収支負担や固定資産税の負担も出てきますので、複数戸所有している方はかなりの負担になってきます。

そこで持ちかけられるシェアハウス投資。

営業マンのトークはこうだ。

「シェアハウスは毎月の収支がプラスで持てるので今所有しているマンションのマイナスが消えますよ」

「木造なので減価償却も早く、節税効果がまた期待出来るようになりますよ」

「購入と同時に家賃保証するのでリスクも低いですよ」

「将来は土地としても売れるので資産になりますよ」

こんな感じですかね。

買う方もこうした営業マンからの話を信じて購入するわけです。

もともとの付き合いがある営業マンなら尚更信じます。

でもここで忘れていることがあります。

『賃料相場』です。

営業マンの説明に「毎月の収支はプラス」になるという説明があります。

それと、「購入時に家賃保証する」という話も。

この話、いつの時点かが明確じゃないんですよ。

立場でその感覚も違います。

営業マン・・・買った時(又は5年以内)

購入者・・・ずっと

そもそも家賃保証って数年に1度必ず見直しがあります。

その時に大幅に下がってたら困りますよね。

 

それと購入金額についても問題があります。

金融機関は利回りを逆算して融資金額を決定する事が多いです。(利回りだけじゃないですが)

その利回りを決めるのは販売会社の設定賃料です。

そもそもシェアハウスの賃料相場自体が曖昧なんですけどね。

簡単に言うと

設定賃料が高ければ融資金額が増えるわけです。

販売会社は融資金額が大きければ大きいほど利益が出せる仕組みがここにあります。

 

例えば・・・

10部屋のシェアハウスで銀行の融資利回りを7.5%とした場合。

①設定賃料5万円のケース

50,000×10部屋×1年=600万円/年間

600万円÷融資利回り7.5%=8,000万円/融資額

②設定賃料と6万円のケース

60,000×10部屋×1年=720万円/年間

720万円÷融資利回り7.5%=9,600万円/融資額

その差はなんと1,600万円!

ケースは色々とありますが仕組みはこういうことです。

だから設定賃料が崩れた時の破壊力が強烈なんです。

実際に販売会社が早々に賃料保証をしてくれなくなったケースもありました。

販売価格はこうした銀行の融資金額で決められるんです。

前編で書いた土地代+建築費+・・・

原価を元にして決められている事ではないんですね。(この話は細かくなるのでこの程度にしておきます)

それともう一つ大事なのが、

シェアハウス経営の前提が 『満室』 だったらということ。

ここを忘れがち。

賃借人から見ると、シェアハウスは少額で入居しやすく、退去もしやすい。

その分入居者の回転がはやいです。

共同生活ですから、人によって合う合わないがあります。

1人でも問題な人間がいると、みんな退去してしまう事も有り得ます。

そうなると収支が回らなくなり、銀行の支払いが滞る。

これがシェアハウス投資のリスクです。

販売業者も当初の家賃保証をしていたら自社の利益を食いつぶす事になるのでいつまでも高い賃料で保証を行うわけには行きません。

こうした問題は今後ますます出てくるでしょう。

先日のニュースは氷山の一角。

お気を付けくださいね。

 

ではまた。。。

 

 

 

 

 

 

問題のシェアハウス投資 (前編)

おはようございます。

このブログ

だいぶご無沙汰しましたね。。。

さてさて、、、そんな久々のブログの今回はシェアハウスについてです。

つい先日ニュースになりましたね。

そして本日の日経新聞にも出てました。

ニュースをご存知ない方はこちら⇒https://www.asahi.com/articles/ASL2N4D9ZL2NULFA014.html

5年くらい前からシェアハウスが投資商品として市場に出回るようになり

中小の業者が中心になって販売しています。

この中小の業者さんのほとんどが創業数年の会社。

一気に業績を伸ばした会社もありあす。

特徴としてはもともと大手投資マンション会社出身の営業マンが独立して

後に仲間を引き抜いて集まった集団。

各々に顧客がいるので、そのお客さんにシェアハウスを売りつける手法です。

 

弊社にも仲介業者さんから販売用のシェアハウスの紹介がありましたが、弊社では扱いませんでした。

なぜなら想定賃料と利回りが高すぎるから。

弊社が管理会社という立ち位置で賃料相場を見てきているので、賃料設定については高い確度で鼻が利くから分かるんです。

それに商品として出始めたばかりで、自力でマンションを開発できない業者がみんな飛びついて売り始めたのも知っています。

シェアハウスは一般的な戸建てと同じように建築し、できるだけ部屋数を多く設計します。

建築としての敷居はとても低く、戸建てが建てれる場所ならどこでも建築可能。

用途地域や容積率がほとんど関係ないのでマンションとは比べ物のにならないくらい『商品』としていくらでも建築できます。

ここが一番の懸念材料として弊社では扱わないと判断しました。(他にも理由はありますが。。。)

 

そして価格にも問題があります。

この価格って買った人は気づかない『裏事情』があるんです。

一般的には土地代+建築費+販売経費+利益=販売価格となります。

新築の戸建てであれば周辺でいくらくらいで販売されいるかちょっと調べれば分かるので相場がつかみやすいですよね。

でもシェアハウスとなると外見は同じでもまったく違う『商品』となるので比べるものがない。

ここが『ミソ』なんです。

シェアハウスと新築戸建てで違うものといえば

①部屋数

②水回り設備の数

③家電の数

④備え付けの家具

⑤各部屋の鍵の数

ざっと上げるとこんなものでしょうかね。

部屋数や設備を増やすと大工の手間が増えます。

材料や配管工事、電気工事も増えます。

建具(ドア)の数が増えればその分コストが増えます。

新築住宅と比べて増えるのは家具や家電も含めて金額としては1割~2割程度ですかね。

規模によって違いますので幅があります。

じゃあどこが『ミソ』なのか?

それは 『賃料設定』 が価格に大きく影響しているということです。

これは販売の仕方にも関係してくるので、とても重要です。

ではどのように影響するのか?

ちょっと話が長くりそうです。

ということで、これは次回にしましょう。

次回【後編】は月曜日を予定しています。

 

ではまた。。。