月別アーカイブ: 2014年4月

賃貸管理業に免許は要らない

一般的に賃貸管理業は不動産屋さんがやっているイメージがあるでしょう。

 

私たちも不動産免許を持って賃貸管理業務を行っています。

でも、『賃貸管理業』単体でいうと、不動産業のように『免許』は必要ないのです。

 

意外かも知れませんが、法律上では賃貸管理業は誰でもできる業種だということです。

不動産業は宅地建物取引業という国土交通大臣または都道府県知事の免許がないと業務を行えません。

 

不動産業者が何か不祥事を起こすと、免許(営業)の停止や取り消しといった処分があります。

こうしたペナルティがあるので、下手なことをすると商売ができなくなってしまいますから、

どの不動産業者も宅建業法を遵守して業務を行わなくてはなりません。

 

また、不動産という大きな買い物は動く金額も大きいですから、一般消費者が安心して不動産取引が行えるように、免許が必要になっているのです。

 

 

しかし賃貸管理業務は・・・

 

敷金の預かりや退去後の清算も賃貸管理の業務なわけですが、こうしたお金にかかわる業務があるのに免許がいらない。

トラブルが起きても監督官庁が無いので、ペナルティもありません。

 

ちょっと不思議ですよね。

 

原状回復のガイドラインが国土交通省から出ていますが、あくまでも賃貸借契約にかかわる部分ですので、表向きは宅建業者向けということになるわけです。

国土交通省では「賃貸住宅管理業者登録制度」なる制度を始めましたが、任意の登録ですからあまり意味がないようにも思えます。

登録しているから安心だというわけではないでしょう。

 

この制度のいちばん重いペナルティは「登録の抹消」です。

業務停止もありません。

何か問題が起これば国土交通大臣は業者に対して

「適正な運営を確保するため必要な指導、助言及び勧告をすることができる」

と書いてあるくらいです。

 

今後は賃貸管理業にも免許制度が導入されるのでは?という議論もありますが、個人的にはなかなかハードルが高いのではないかと思っています。

 

賃貸管理業は宅地建物取引業と違い、消費者全員に関係することではないので、そこが難しい。

入居者が預けた敷金の返還義務はオーナー側にあります。

賃貸管理業者が倒産しても、入居者(消費者)はオーナーに敷金の返還を要求できるわけです。

 

一方、オーナーは「賃貸経営」を行う「事業者」です。

あくまでも賃貸管理業はオーナーの代理としての立場ですから、法律を作ることは一部の事業者を守るための制度にもなりかねません。

法律という国民が守るべき制度を一部の事業者に対して制定するというのは、なかなかハードルも高い気がします。

 

法律の決定にかんして詳しく知りませんが、もし賃貸管理業にかんする法律を作るとお金がかかるイメージがあります。

出版物や配布物なども必要でしょう。

WEBサイトも制作・運営するでしょう。

その他、監督省庁では部署を作らなければいけないでしょうし、〇〇協会なんていう天下り先が増える気もする。

なんだかんだとお金がかかるイメージです。

 

全く関係ない消費者からすれば、「オーナーの利益のために法律を作るのは反対だ。」という方も出てくるでしょう。

賃貸管理にかかわる「消費者」というのは賃借人です。

オーナーは「事業者」ですから該当しません。

賃借人は「借地借家法」「消費者契約法」などで守られています。

既に賃借人という「消費者」を守る法律があるのに、事業者であるオーナーをなんで守る必要があるのか?という議論も出てくるでしょう。

 

そう考えると、「登録制度」というのが今のところ限界なのかも知れませんね。。。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

賃貸管理会社の種類

賃貸管理会社と言っても運営会社によって違いがあります。

 

ですので各運営会社のタイプごとに特徴を書いてみました。

 

 

1.街の不動産会社系

おもに街の不動産屋さんが行う賃貸管理ですが、地元のアパート、マンションのオーナーさんから委託されることが多いです。

都内だとあまり賃貸募集情報を他の業者へ公開しないことが多いのが特徴的。

理由は、仲介手数料を自社で独占したいからなんです。

仲介会社は自社で独占できますが、他社への情報開示がないので、空室の長期化へつながることが家主のリスクでもあります。

 

 

2.大手仲介会社系

直営店とフランチャイズがあり、街の不動産屋さんと競合することが多いです。

古くからの不動産屋さんが大手のフランチャイズになるケースもあります。

フランチャイズは看板が大手になっただけでやっていることは街の不動産屋さんとなんら変わらない場合も。。。

直営店は賃貸管理の専門部署があり、いくつかの支部に分かれて管理を行う会社もあります。

基本的には事務的な対応がほとんどになります。

 

 

3.建築会社系

自社で建設したアパート・マンションの賃貸管理部門。

〇〇年一括借り上げなどを売りにする会社もありますが、あくまでも建物を建てて儲けるためのメニューとして。

管理部門が全くの別セクションとなり、営業マンの賃貸管理にかんする知識はほぼない等しいの実情です。

会社はあくまでも建物を建てさせるのが営業マンの使命と考えているので、建築後に営業マンに相談しても即答できない人が多い。

 

 

4.投資用マンション販売会社系

投資用マンションを販売するためのツールとして、賃貸管理部または別会社で賃貸管理会社を設立しているケースが多いです。

自社で販売した投資用マンションを管理することで、『売って終わりではない』ことをアピールする目的がほとんど。

あくまでも自社で販売したマンションのみを管理するため、同マンション内で空室が複数出た場合にはいろんな事情が交錯する。

買い増しできるオーナーか否かで優先順位が決まることもあるし、長期に空いている部屋へ他の部屋の申し込みを振り替えることもあります。

いろいろあるので、またいつか書きます・・・。

 

 

5.独立系

賃貸管理でのサービス勝負なので、シンプルでわかりやすいです。

会社の生い立ち(社長の出身業界など)によって考え方も違うので各社で特徴がさまざま。

当社もここに属します。

能力が高い会社を見つけるのが難しいですが、見つかればこれほど心強い会社はありません。

 

 

さりげなくアピールしておきます。。。

 

 

ではまた。。。

 

 

賃貸管理ブログスタート

本日より賃貸管理ブログがスタートいたしました。

 

このブログをどんな方に読んでもらうか。

どんな方が読みたくなるか。

アパートのオーナー?

マンションのオーナー?

それとも転勤で家を貸す方?

やっぱり投資家?

 

じつは上に書いた全員の方が対象です。

対象は『不動産を貸す人』なんです。

 

そしてこのブログに出会って良かったと思えるよう、

有益なブログにしていこうと思って書き始めています。

 

すでに不動産業界に身を置き10数年。

酸いも甘いも経験してまいりました。

 

マンションも売りました。

戸建も売りました。

仲介もやりました。(今もやってます・・・)

そして賃貸管理の会社を作りました。

 

賃貸管理業界へ転身して今年でもうすぐ6年が経ちます。

おかげさまで良いことも悪いことも見てきました。

そして賃貸管理の重要さを実感しています。

 

不動産販売がハードウェアとするならば、賃貸管理はソフトウェア。

とても目立たない業種です。

 

 

でも・・・

 

 

実は賃貸管理業務というのは不動産を貸す時だけではなく、買うときにもその力を発揮するんです。

賃貸管理会社として不動産を見るようになってから、見える景色がガラリと変わりました。

 

そして何よりもリスク管理能力が高くなり、買っていい不動産と買わなくていい不動産がわかってきます。

これは感覚的なものではなく、数字で判断することもできるのです。

 

不動産を知るなら

不動産投資をするなら

まずは賃貸管理を知ることが成功への近道になるでしょう。

 

 

ではまた。。。