もしあなたがお願いしている管理会社からの入金が遅れるなら、すぐに危機感を持ったほうがいいでしょう。
管理会社からの入金が遅れるには、いくつか理由があります。
■ 入金が遅れる理由
1 銀行への送金データを送る際に、何らかのエラーが起こった。
2 管理会社がお金を使い込んでいて、送金するお金が足りなくなった。
3 サブリース会社からの入金が遅れていて、管理会社への入金がない。
4 管理会社が家賃保証を行っていて、保証賃料が実賃料を上回ってしまった(赤字の保証になっている)
では次に具体的な状況とその危険度を教えましょう。
1 銀行への送金データを送る際に、何らかのエラーが起こった。
まず送金データに関しては、ごくごく稀にエラーが出るときがあります。
管理会社は大量の物件をシステムで管理しています。
送金業務は、入居者からの家賃入金のチェックを終えてから送金データを一度に作成し、そのデータを銀行へ送るようになっています。
このデータを送金する際、何らかの理由で「取りこぼし」が発生することがごくごく稀にあります。
詳しい原因が分からない場合も多いので一概になぜかとは言えませんが、システム側でのエラーであることは確かです。
これは銀行の統廃合などで管理システムのバージョンアップが行われたりするので、そうしたことも原因のひとつなのかも知れません。
ただし、全件が遅れるということはなく、一部のエラーで特定の方、または数名だけがデータの作成ができていなかった・・・
という具合です。
中には違う理由で家賃送金が遅れているにも関わらず、『システムエラー』で遅れることを言い訳にする管理会社もあります。
ではどのようにして本当か嘘かを判断するか?
あなたが気づいて連絡した場合、
『当日』 もしくは 『翌営業日』 に入金があるかどうか。
我々管理会社は家賃送金が遅れた場合に、家主にどれだけ迷惑がかかるか知っています。
ローンの支払い、管理費・修繕積立金の引き落とし、固定資産税等の引き落とし・・・・
だからシステムエラーで遅れた場合は 『即入金』 が鉄則です。
基本的な危険度はそれほど高くはないのですが、翌営業日までに入金がない場合は危険度が一気に高くなると考えてください。
もし、担当者が不在だったり、折り返すと言って連絡がなかったら、それはシステムエラーではなく、別の理由だと疑ったほうがいいでしょう。
2 管理会社がお金を使い込んでいて、送金するお金が足りなくなった。
これはシンプルで分かりやすい理由です。
ただし、使い込んだとは言いませんね。
入居者からの入金がまだ入っていない・・・とか
担当者が不在・・・とか
まずは時間稼ぎをします。
入金の順番はというと・・・
連絡の 『しつこさ』 で決まります!
嘘みたいな話ですが本当です。
対応が面倒なオーナーには早く入金します。
こういう場合は送金が遅れている他のオーナーからの問い合わせにも対応しなくてはなりません。
とくに電話の対応が事務の女の子だったら、そんな電話対応ばかりでもう泣きそうになっているはずです。
回収するにはとにかくしつこく連絡することです。
こうのような状況になった場合は即座に管理会社を変更したほうがいいでしょう。
危険度は高いです。
一度くらいの遅れなら・・・
な~んて思っていたら、もう二度と入らないかも知れませんよ。
3 サブリース会社からの入金が遅れていて、管理会社への入金がない。
これも分かりやすい理由ですね。
まぁ、ここまで正直には言わないでしょうけど・・・。
賃貸借契約の中で、サブリース会社が借り上げている部屋があります。
あなたとの賃貸借契約ではサブリース会社が借主となり、サブリース会社はそれよりも高い賃料で転貸(又貸し)します。
その転貸した金額が高ければ高いほど、サブリース会社は収益が上がる仕組みになっているのです。
ここで問題なのが、サブリース会社が倒産したら・・・
サブリース会社にも経営リスクがあり、あなたから一定の賃料で部屋を借りているので、毎月の賃料は発生します。
ですから転貸する際には常に高い家賃で借りてくれる入居者を確保しなくてはならないのです。
この入居者の質ですが、わざわざ相場よりも高い賃料で借りる入居者なわけですから、ワケ有りの入居者が多くなります。
他の賃貸物件では断られてしまう人や、いわゆる風俗、水商売などと言った方々も多い。
優良な入居者を確保しているまともなサブリース会社もあるでしょうが、本当のところはわかりません。
ここはブラックボックスです。
サブリース会社が倒産すると家賃が入らいないばかりではなく、入居者との賃貸借契約書もどうなっているのかわかりません。
当然ながら入居者情報すらまったく分からなくなってしうのです。
さらには、入居者が居るのかどうかもわかりません。
こうなると厄介です。
私たちがサブリース会社が借りている物件の管理を嫌う理由はここにあります。
最低限、又貸し先の賃借人の内容は把握しときたいですね。
ただし、入居者が短期間で入れ替わっていたらまた分からなくなってしまいますが。
それと大抵の場合、分譲マンション単位でサブリース契約になっているので、サブリース会社の倒産で一気に何十部屋と家賃が滞ってしますのです。
あなたの部屋の契約書が、もしサブリース会社が借主になっているなら、入居者情報を確保しておかないと危険度はかなり高いです。
4 管理会社が家賃保証を行っていて、赤字になっている
マンションの分譲を行っている会社に多いケースです。
分譲と同時に数年間の家賃保証をする会社が多いですが、この家賃保証にカラクリがあることが意外と知られていません。
新築のマンション1室を購入するマンション投資を行う際に、賃料を調べて買う方はほとんどいません。
主に営業マンが用意した 『賃料表』 を信じて購入しています。
でもここ数年で詐欺まがいの賃料表で販売しているマンションも増えてきました。
入居者を集めやすい新築時に、敷金や礼金を無くして賃料を高くしているんです。
賃料収入が高くなるので、販売するときの収支は悪くありません。
でも入居者が入れ替わって再募集すると・・・
10,000円くらい賃料が下がるケースも多々あります。。。
ではこれを販売会社が保証していたらどうでしょう?
10,000円くらい負担してマンションが売れるなら・・・
これが販売会社の基本的な考え方です。
1年で▲12万円
5年で▲60万円
でもマンションが売れて400万円儲かるならどうでしょう?
たいして痛くもないですよね?
じゃあ、なんで遅れるのか?
答えは・・・
『売れなくなったから』
簡単な話です。
売れてる時は痛くもなかった家賃保証が、後からボディブローのように効いてきたのです。
会社を運営する固定費や販売管理費は売れなくてもかかります。
そして出るお金が収入よりも多くなった時に家賃を使い込むのです。(家賃が遅れる原因)
初めは入金がずれている分だけ。
入金があればすぐに穴埋め。(家賃を遅れて払う時期)
となるのです。
こうしたことが繰り返され、いずれは金額が大きくなり支払いできなくなってしまう。
あなたの物件を管理している会社がこうした事業モデルであるならば、入金が遅れるどころか入らなくなるのは時間の問題です。
よって危険度はかなり高いです。
こうした目安を知っているのと知らないのとでは、行動を起こすスピードが変わるでしょう。
危険度を書きましたが、管理会社が具体的に遅れる理由を言うわけもないので、オーナーからするとわからないかもしれません。
でもその会社の対応怪しければ間違いなくいずれは家賃が入らなくなると疑った方が賢明でしょう。
ポイントは・・・
家賃が入らなくなる前に管理会社を変えること!
ちょっとの遅れが家賃回収を不能にします。
状況を冷静に分析すれば会社の状況はすぐにわかります。
ただし・・・
大手の管理会社はこうした事情はわかりません。
なぜなら、業界が違うんですね。
大手はファミリーが住むための分譲マンションを販売し、
転勤やその他の事情で家を貸す方のための管理です。
それと賃貸仲介会社が行う賃貸管理もできません。
貸すのが仕事です。
仲介が収益源です。
見てる方向が違うんです。
同じ業界でも販売をメインに行っている業者であれば基本的に同じです。
意味がありません。
管理会社でも色んな種類があるので難しいのですが、不動産投資に慣れている管理会社がいちばんです。
なぜなら業界の噂(情報)も入ってきますので、その会社の状況がある程度わかるんです。
あなたのリスク回避の参考にしてみてください。
ではまた。。。。