賃貸経営でもっとも避けたいものは『滞納』です。
なぜか?
時間も労力も費用もかかり、良いことが一つもないんです。
賃料が入らなければ収益性が下がり、賃貸経営を圧迫してします。
マンション一棟やアパート一棟であれば分散できるので、なんとかやりくりできるかも知れません。
これがマンションの1室であればどうでしょう。
家賃は入らないのに、借入金の支払いや管理費、修繕積立金といった支出は必ずあります。
投資用マンションは収支がトントン、またはマイナスのケースが多いので致命傷になりかねません。
それくらい滞納というのは賃貸経営にとってはマイナス要素が大きいんです。
そしてさらに厄介なのは、長期化です。
これは滞納の長期化というより、入居者を強制退去させるための期間。
おかしな話かと思いますが、滞納が始まってから数か月しないと、裁判をしても強制退去させることができないのです。
現在の日本の法律で、借家人は相当守られている状態です。
滞納が発生して強制退去をするには、目安として4か月程度の連続した滞納がないとなかなか裁判所は認めてくれません。
そしてここから裁判を行うとなると、弁護士費用や印紙代、諸々の費用と時間がかかるんです。
仮に裁判で判決が出たとしても、強制執行するための手続きがさらにあります。
判決をもとに明け渡し請求を行わなくてはなりません。
この明け渡し請求が裁判所に認められてはじめて強制執行が可能となるのです。
そしてこの強制執行ですが、裁判所の執行官の立ち会いが必要になります。
万一入居者がいない場合も想定して、開錠するために鍵屋さんも呼ばなくてはなりません。
荷物の搬出には引越し屋さんが必要です。
もし入居者が居なかったらなおさら面倒です。
なぜならこの荷物を保管する場所の確保が必要となるからです。
こうした執行にかかる費用は少なくとも50万円以上は必要です。
なぜなら単純に荷物を搬出すればいいという訳ではなく、荷物の目録を作りながら行うからです。
これは入居者が後々になって〇〇が無くなったというトラブルを防ぐため。
きちんと荷物のチェックを行わないと、たちの悪い入居者は損害賠償請求を行う可能性があるのです。
家賃も払わずに損害賠償請求までされたらたまったもんじゃありません。
費用は部屋の大きさや荷物の量によって変動するので、平気で100万円を越える費用が発生することもあるのです。
この時間とお金の損失は多大なもの。
法的な手続きを行うと賃料が入ってこないだけでなく、このような費用も発生する。
夜逃げしたかどうかわからないケースでは、貸室への立ち入りにも気を付けなくてはなりません。
下手に入ると、住居侵入で警察に捕まります。
貸している方がこんなにも気を使うのはおかしいと思いますが、これが現実です。
強制退去はこうした経緯を経て、初めて完了するのです。
さらにこれだけで安心できません。
新たな入居者を募集するに当たり、このままでは部屋を貸し出すことはできません。
今度は貸し出しを行うための室内の原状回復が必要です。
原状回復費用も部屋の広さによって変わりますが、何十万円とかかります。
大抵の場合、強制執行をするような部屋は使い方も荒く、壁もボロボロだったり、床には煙草の焦げ跡があったりと・・・
間違いなく数万円の世界ではないです。
壁紙の貼り替えや室内クリーニング。
設備に問題があれば交換費用などがかかります。
このような費用負担が貸主に発生してしまうというのは、賃貸経営の最大のリスクです。
だから入居者の審査を安易に行ってはいけないのです。
保証会社がついているから・・・
確かに保証会社がついていれば安心できる部分があるでしょう
では、この保証会社が倒産したらどうなるでしょう?
考えただけでもドキドキします。
予想がつかない部分も確かにあります。
でも、保証会社ありきの入居審査はやめた方がいいでしょう。
本人の支払い能力なども重要です。
まずは本人が重要。
そして万が一の保全をどうとるか?
ここが重要なのです。
家賃の滞納がどれだけ賃貸経営にとって厄介なことか。。。
最も避けたいのはこうした理由があるのです。
しかもこのような問題は急に訪れます。
多くの家主さんに言えるのは、『困ってからでは遅い』ということです。
何故なら私たちへ依頼は、ほぼ100%困ってから来ます。
困ってから弊社を探し当て、連絡をいただきます。
もう少し早ければ違った対応ができたのに、どうしてもワンステップ遅くなってしまう。
賃貸管理は奥が深く、各社で対応もさまざま。
こうしたケースを大手に頼むと、まず引き受けてくれないでしょう。
ようするに面倒なことをやらずに、問題ない物件を扱っていた方が商売としては率がいいからです。
家主が困ったときに力を発揮するのが本当に力のある管理会社だと思うのですがね・・・
ではまた。。。