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収益を上げる賃貸管理⑤『退去時立ち合い』

第5回の今回は『退去時立ち合い』についてです。

 

 

この退去時立会いは賃貸管理業の中でも、専門業者へ委託している会社が多いです。

大手になればなるほど、他社への委託がよく見られます。

 

オーナーの立場で考えると、この立ち会いを代行業者へ頼むのは原状回復コストがかかることにつながり、支出を増やします。

立ち会い専門業者は多くの場合が内装業務で利益を確保します。

賃貸管理会社は自社の社員を使わなくていいので、業務の軽減または人件費の削減となります。

一方、立ち会い代行業者はサービスで立ち会い代行を行うことで、内装業務を自社に任せてもらえる。

悪い業者だとクロスを張り替えなくてもいい壁まで張り替えて請求します。

 

賃貸管理会社の仕事の軽減とコストの削減、内装工事業者の仕事の受注と利益の確保。

お互いの利害関係が一致している仕組みです。

 

でも・・・

 

これはあくまで業者同士の利害関係です。

そこにオーナーは存在していません。

 

でもお金のしわ寄せは・・・

 

はい、オーナーに行きます。

 

私たちは自社で立ち会いを行っています。

部屋の状態を自社で把握することにより、無駄な出費がなくなるのです。

 

これが代行業者に頼んでいたらどうでしょう?

 

代行業者からの報告しか聞きませんから、部屋の状態、設備の状態がきちんと把握できない。

 

多少の不具合でも問題なく使えるものも多々あります。

それを社内で把握してるのとそうでないのとでは、大きな違いが生じるのです。

社内で状態を把握してれば、入居者にも事前に説明をして了承が得られたりもします。

しかし、把握していなければ入居者へ説明することもないですから、後にクレームとなる可能性があるでしょう。

そしてこれを交換したり直したりすると非常に高くつく。

こうした工事は他の工事と一緒にやった方が安いんです。

 

そしてもう一つ

 

自分たちが把握することで、事前に予想ができるんです。

もしかしたら3年以内に壊れるかも・・・とか

あそこはいつ壊れてもおかしくないから入居者が言ってくるかも・・・とか。

 

こうした準備は入居者に対してもスムーズな対応につながりますから大事です。

そのためにも退去時の立ち会いは自社で行うのがベストなんですけど…。

 

賃貸管理は奥が深いです。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理④『空室期間』

第4回目の今回は『空室期間』についてです。

 

 

賃貸経営において空室というのは致命傷です。

期間が短いに越したことはありません。

 

この空室を埋めるにはきちんとした分析が必要です。

 

入居者は賃料と建物、部屋(設備)のグレード、他の類似物件との比較で物件を選びます。

もしあなたの物件の空室期間が長期にわたるのであれば、そこには必ず理由があります。

そして大抵の場合、上記のような賃料とグレードのバランスが適当でないと判断されています。

 

簡単に言うと

 

『その部屋にその賃料を払う価値があるのかどうか?』

 

こうした視点で『価値がない』という判断になってしまっているのです。

希望する賃料を取りたいのであれば、賃料に見合うグレードに変えていかなければなりません。

もし、お金の問題でグレードを上げることができないのであれば、見合った賃料にする必要もあるでしょう。

そして中途半端な募集を続けると、結果として大きな痛手を負います。

 

仮に10万円の賃料で募集した部屋が3か月空室になったらどうでしょう?

年間の賃料収入は30万円も減ります。

都内の賃貸借契約は2年ごとの更新が多いですから、30万円減ることで2年間で210万円になってしまいます。

 

では97,000円に下げた募集で、空室期間が1か月ならどうでしょう?

 

2年間で約223万円となります。

95,000円でも約218万円。

 

空室期間の長期化は、賃料減額よりも痛手となることがあるのです。

 

自身の物件がなぜ空室なのかという分析の重要性がここにあります。

建物(部屋)は年数とともに古くなり、新しい物件が毎年のように建てられています。

そうした物件とも競合していくわけですから、立地が抜群にいいとか、グレードがもともと高いとか、

他の物件に勝てる付加価値がないのであれば、賃料を含めた総合的なバランス勝負となるわけです。

 

空室期間がオーナーの収益に与える影響はとても大きいです。

繁忙期のような時期はある程度強気で募集しても入居してくれるケースもあるでしょう。

しかし閑散期になったらそうとも行きません。

 

釣りに例えるならば、魚の少ない池でみんなが釣りをしている状態です。

あなたの針にかかるのか、他人の針にかかるかは、仕掛けとエサが重要です。

 

そしてもう一つ重要なのが『情報』です。

 

周りがどんな仕掛けを使っているのか?

どんなエサを使っているのか?

空室を埋めるにはこうした周辺の情報も大切なのです。

 

しかしオーナー自らが情報収集するにも限界があります。

本業をお持ちの方も多いです。

 

現場(賃貸仲介)の生の声を拾うのも私たち賃貸管理業者の重要な業務なのです。

地味な仕事をコツコツと。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理③『支出』

第3回目の今回は『支出』についてです。

 

 

不動産を貸す中で発生している経費は必ずありますね。

建物の規模が大きくなれば、建物自体のメンテナンス費用が掛かりますから、金額も大きくなります。

 

戸建ての場合は主に固定資産税。

 

投資用マンションは1室ごとなので固定資産税と管理費、修繕積立金。

 

1棟のアパート経営は固定資産税と清掃費用。
清掃はオーナー自らやっているアパートもありますね。

 

1棟のマンション経営は規模によりますがかなり多いです。
固定資産税、定期清掃、共用部分の消耗品、エレベーター点検、消防点検、受水槽点検、浄化槽点検、外壁検査などなど。

 

そのほかにも

 

こうした各維持経費のほかに支払う賃貸管理費。

 

オーナーの収入は入ってくる賃料収入から、この各経費が差し引かれて残ったお金が実収益となるわけですが、借入をしている場合は金融機関への返済がありますね。

そして残ったお金が本当の純収益となるわけです。

 

上記の各賃貸経営の中でいちばん経費が削りにくいのは投資用マンション。

なぜなら、建物管理費は自分一人の意志ではどうしようもないからです。

各所有者は物件の近くに住んでいるわけではなく、全国に散らばっています。

そのため、管理組合の運営はすべて業者に委任するケースがほとんど。

オーナー同士のつながりもないので、難しい。

 

その他の戸建や1棟のアパート・マンションはオーナーが1人のケースが多いので、自分の意志で決定することが可能です。

こうした支出を見直すことはすぐにでもできるので、是非やっていただきたい。

 

収入を増やすよりも確実な支出の削減で、オーナーの収益は実質的に増えます。

収益が増えるということは、リスクが軽減できる(余力が増える)ということですから、とても重要です。

 

増えた収益を借入金の繰り上げ返済に使うこともできますし、共用部分や貸室をグレードアップして賃料収入を上げることにも使えます。

販売会社に丸投げの建物管理はあまりいい話を聞きません。

少なくとも相見積もりを取るべきです。

 

私たちの経験上、ほとんどのケースで建物管理のコストは下がっています。

どう下げるかはまた別の機会に書きますが、収益を上げるうえでここを見逃してはいけません。

 

ほとんどのオーナーが賃料収入を増やすことにばかり目を向けています。

賃貸経営で収益を上げるには『収入を増やす』か『支出を減らす』の二つです。

 

そしてこれを実践することで『収入を増やし』『リスクを減らす』ことにつながります。

 

今すぐできること。

 

是非考えてみてください。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理②『長期入居』

第2回の今回は『長期入居』についてです。

 

 

空室期間が長引けば、その部屋は収益を稼げていないことになります。

このロスをなくすには、賃借人にずっと入居してもらうのがいちばんです。

 

仕事の都合や家族構成の変化で退去することは仕方ありません。

また、収入が上がってもっと高い家賃の部屋に引っ越すひともいれば、彼氏や彼女と同棲を始める人もいる。

それぞれが何らかの理由で退去するわけですが、これらの理由に当てはまらない方の退去は何としても食い止めるべき。

なにせ退去する理由がないのに退去するわけですから。

 

ではどうするべきか?

 

当たり前のことをやればいいのです。

まずは要望(理由)をしっかりと聞くことが大切です。

解決できる理由であればクリアしなくてはなりません。

 

安定した収益を稼ぐには少しでも長く住んでもらうことが得策です。

人気の部屋で順番待ちなら話は別ですが、そんな部屋はなかなかありません。

とにかく長期的に住んでもらった方が収益性は高いです。

 

退去をするには少なからず理由があります。

こうした理由を聞いて、解決するのも賃貸管理には必要です。

 

だいたいは更新の時期に退去を考える方が多いでしょう。

この場合、更新料を払いたくないのか、それとも別の理由なのか気になるところです。

 

退去すると、空室期間が生じたり内装の費用などがかかったりするので、オーナーの出費が増えます。

なので理由によっては柔軟に対応しなくては損です。

 

もし更新料が理由であれば、半額にしてでも入居しててもらったほうがいい場合(時期)もあります。

入居者も引っ越し費用や原状回復の負担などありますから、本来であれば長く住んだ方がいいんです。

ですから、こうした対応も選択肢として考えておきたいですね。

 

もう一つ別のケース

 

理由もなく退去する方は初期費用の安い部屋へ移り住むことがよくあります。

裏を返せば、入居者に長期的に住んでもらうには、長期的に住んでくれそうな募集の仕方をしなくてはいけません。

最近目にする敷金0円物件。

空室対策の手段としてやっている部屋なのでしょう。

 

でも・・・

 

これはやめた方がいいです。

こうした物件に入居する方は退去するのも早いです。

 

あくまでも経験値ですが、初期費用が少なくて入りやすいイメージもあるかもしれませんが、更新のたびにまた似たような条件の部屋へ引っ越します。

逆にきちんと敷金や礼金を払う方の方が、入居期間は長いです。

長く住むつもりだから初期費用がある程度かかっても仕方ないという心理なのでしょう。

 

私たちが入居審査をする時の視点は別のブログで書きますが、長期入居を獲得するには、入居後の対応はもちろんのこと、実は入居前の審査が重要なんです。

 

それもちょっとしたこと。

お楽しみに。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

収益を上げる賃貸管理①『賃料』

賃貸管理でオーナーの収益を上げるにはいくつかのパターンがあります。

そのためのポイントを毎回1項目ずつ、10回に分けてお伝えして行きます。

 

 

第1回目の今回は、収益をあげる王道である『賃料』についてです。

 

 

不動産を貸すということは、収益を上げるための投資と考えて私たちは管理をしています。

ですから、いかにオーナーの収益を増やすことができるかがポイントになるわけですが、簡単に収益を増やすには高い賃料が取れればいいわけですね。

しかし現実はそんなに簡単ではありません。

 

今ではほとんどの入居者がインターネットを使い、周辺の類似物件がいくらぐらいの賃料なのか?大体の賃料相場を把握しています。

また、募集の時期や競合の有無によって、状況も変わってきます。

こうした他の競合する物件に勝たなくてはいけませんから、当然ながら募集にも戦略が必要になってくるわけです。

 

賃貸の募集を見ると、ほとんどの物件が『賃料』と『管理費』を分けて募集しています。

実はこの『賃料』と『管理費』の分け方に決まりはありません。

自由です。

 

たとえば次の二つの募集はどちらがパッと見で安く感じるでしょう?

 

【賃料】81,000円 【管理費】5,000円

【賃料】79,000円 【管理費】7,000円

 

おそらく下の79,000円が目に飛び込むはずです。

そして数秒後に合わせたら同じだと気付く。

 

でもこれって意外と重要なんです。

 

今は二つの数字を並べて比べていただきました。

だから数秒もすればトータルで同じ金額だと気付く。

これがランダムに掲載されるインターネットのサイトならどうでしょう?

 

なかなか気づきません。

 

そしてもうひとつ

 

インターネット検索では、賃料の上限を設定して検索することができるのです。

もし部屋を探している人が上限賃料80,000円で設定したらどうですか?

 

【賃料】81,000円 【管理費】5,000円 にした募集は画面にすら出なくなってしまいます。

 

はい、これで競合がひと部屋消えました。

 

ほんのちょっとしたことですが、明らかに反響は違います。

賃料を1,000円上げて80,000円しても、インターネットの検索にはこの部屋が出てくるのです。

 

そしてさらにもう一つポイントがあります。

 

一般的な賃貸借契時にかかる初期費用は、敷金・礼金・前家賃、火災保険料、仲介手数料が主な構成です。

火災保険は賃料には関係ないので、その他の4つで計算するとどうでうしょう。

 

~敷金1か月・礼金1か月・前家賃1か月・仲介手数料1か月と仮定~

【賃料】81,000円の場合
243,000円(81,000円×3)+87,480円(仲介手数料)
=330,480円

【賃料】79,000円の場合
237,000円(79,000円×3)+ 85,320円(仲介手数料)
=322,320円

 

おわかりいただけますか?

 

賃料総額が同じでも、入居者が支払う初期費用には差が出るのです。

 

賃貸管理業務を行っていると、この初期費用が出せなくて契約が流れてしまうケースも実際にあります。

入居者によっては初期費用がやはり大きなポイントになっているということですね。

特に就職や進学で何かとお金が必要なときには、少しでも安い初期費用の方を選びます。

賃借人を付けたいと思えば、このような細かい部分を工夫するのは当たり前だと思います。

 

でも・・・

 

やっていないところが多いです。

 

こうした賃料と管理費のバランス調整は、問い合わせの状況、閲覧状況を見ながら変えていくのもいいでしょう。

 

賃貸のマーケットは時期によっても変わります。

エリアによっても部屋探しに動く時期が異なったりする。

周りの競合物件がいつの間にか賃料を変更しているケースもある。

 

少なくともこうした事情を気にしておく必要はあります。

 

募集を出したらそれっきり・・・

 

これは絶対避けるべきです。

気づいたら他の物件がいつの間にか契約になっていて、自分の物件が残っている、なんてこともありますからね。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

賃貸管理は不動産のプロに任せる

賃貸管理をやっていると、オーナーからの相談がよくあります。

 

所有している物件の売却についてや、繰り上げ返済をするタイミングや物件の順番、買い替えや借り換え、自宅や相続物件のことなど・・・

そして一般的な賃貸管理業務とは関係ない相談もよくあります。

 

みなさん私たちが不動産業に精通していることを知っているのでこのような相談があるわけです。

 

 

私たちのもとには他の賃貸管理会社からの変更が多くあります。

多くの賃貸管理会社の社員は不動産実務を経験していません。

そのため、不動産業務について相談されても答えることができないのです。

 

なにか相談されれば、販売担当者へ聞いてくれと返答されます。

しかし販売担当者が既に会社を辞めていたり、そもそもの業務が自社の商品を売ることですから、たとえ聞かれても答えることができない。

担当を信用してマンションを所有したけど、気づいたら辞めていた・・・

 

よく耳に入りますが、不動産業ではこんなことが当たり前の業界です。

 

 

不動産というのは、購入してから手放す(出口)まで、もしくはいくつかの選択肢を持って購入するべきなのですが、なかなかそこまで考えていないのが現実です。

長期にわたり不動産を所有すると、自身の収入や家族構成といった生活の変化もあるでしょう。

ほとんどの方がこうした変化のときに初めて今後の所有について考え始めます。

そして必ずと言っていいほど『お金』の問題に行き着きます。

 

中には損をして売る方もかなりの人数でいます。

もし購入当初から『出口』を意識していたらおそらく損をすることはなかったでしょう。

 

 

私たちが賃貸管理業を始めたのは、私たちの知識と経験と実務が、このような方たちに必要だと感じたからです。

賃貸管理業界には不動産業に精通した人間が少ないです。

そこに私たちが『価値』を提供できるなら、役に立てることは多分にある。

そして必要な『価値』をいつも考えています。

 

賃貸管理業の最大の役割は、オーナーの収益を上げること。

 

そのためにどう進化していくかが、賃貸管理業に求められることだと思っています。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

 

『免許』の意味するもの

免許が必要な商売って色々あります。

 

医師、弁護士、公認会計士、税理士、行政書士、社労士、司法書士、建設、不動産、金融、証券、薬局・・・

 

特殊な業種もあるでしょう。

 

ただし免許があるから『その道のプロ』と一概にいうわけにはいきません。

なぜなら、それぞれの業種でいろんな業務がある。

業務が細分化され、その人(会社)の『専門』となる強みが少なからずあるはずです。

 

病院に眼科や耳鼻科、内科や外科などがありますが、ドクターに共通しているのは『医師免許』を持っているということ。

『〇〇の医師免許』のように、各診療科目で免許は分かれていません。

 

われわれ不動産業に携わる者たちも、売買が得意な人、賃貸の仲介が得意な人、売買の仲介が得意な人、仕入れが得意な人、それぞれ得意分野が異なります。

そしてまた、そこから細分化されます。

得意な売買は戸建てなのか、ビルなのか、土地なのか・・・

 

でも一般的には『不動産業』というひとまとめになります。

 

僕の『免許』の解釈は

 

『その業種に携わるうえで、広く最低限の知識を有している。』

 

こんな風に捉えています。

 

だから必要な専門家を探す時は、その業種の中でここは何がいちばん得意なのか?

そういう見方をしています。

 

 

賃貸管理会社選びも同じで、その会社が何をメインに業務を行っているのかを知らないといけません。

アパート建築なのか、投資用マンションの販売なのか、賃貸仲介なのか、賃貸管理なのか・・・

 

必ずメインとなる業務があるはずです。

 

 

ちょっと角度を変えると違った見方ができるんですね。

こういう視点で『何か』を探すって楽しいです。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

賃貸管理業に免許は要らない

一般的に賃貸管理業は不動産屋さんがやっているイメージがあるでしょう。

 

私たちも不動産免許を持って賃貸管理業務を行っています。

でも、『賃貸管理業』単体でいうと、不動産業のように『免許』は必要ないのです。

 

意外かも知れませんが、法律上では賃貸管理業は誰でもできる業種だということです。

不動産業は宅地建物取引業という国土交通大臣または都道府県知事の免許がないと業務を行えません。

 

不動産業者が何か不祥事を起こすと、免許(営業)の停止や取り消しといった処分があります。

こうしたペナルティがあるので、下手なことをすると商売ができなくなってしまいますから、

どの不動産業者も宅建業法を遵守して業務を行わなくてはなりません。

 

また、不動産という大きな買い物は動く金額も大きいですから、一般消費者が安心して不動産取引が行えるように、免許が必要になっているのです。

 

 

しかし賃貸管理業務は・・・

 

敷金の預かりや退去後の清算も賃貸管理の業務なわけですが、こうしたお金にかかわる業務があるのに免許がいらない。

トラブルが起きても監督官庁が無いので、ペナルティもありません。

 

ちょっと不思議ですよね。

 

原状回復のガイドラインが国土交通省から出ていますが、あくまでも賃貸借契約にかかわる部分ですので、表向きは宅建業者向けということになるわけです。

国土交通省では「賃貸住宅管理業者登録制度」なる制度を始めましたが、任意の登録ですからあまり意味がないようにも思えます。

登録しているから安心だというわけではないでしょう。

 

この制度のいちばん重いペナルティは「登録の抹消」です。

業務停止もありません。

何か問題が起これば国土交通大臣は業者に対して

「適正な運営を確保するため必要な指導、助言及び勧告をすることができる」

と書いてあるくらいです。

 

今後は賃貸管理業にも免許制度が導入されるのでは?という議論もありますが、個人的にはなかなかハードルが高いのではないかと思っています。

 

賃貸管理業は宅地建物取引業と違い、消費者全員に関係することではないので、そこが難しい。

入居者が預けた敷金の返還義務はオーナー側にあります。

賃貸管理業者が倒産しても、入居者(消費者)はオーナーに敷金の返還を要求できるわけです。

 

一方、オーナーは「賃貸経営」を行う「事業者」です。

あくまでも賃貸管理業はオーナーの代理としての立場ですから、法律を作ることは一部の事業者を守るための制度にもなりかねません。

法律という国民が守るべき制度を一部の事業者に対して制定するというのは、なかなかハードルも高い気がします。

 

法律の決定にかんして詳しく知りませんが、もし賃貸管理業にかんする法律を作るとお金がかかるイメージがあります。

出版物や配布物なども必要でしょう。

WEBサイトも制作・運営するでしょう。

その他、監督省庁では部署を作らなければいけないでしょうし、〇〇協会なんていう天下り先が増える気もする。

なんだかんだとお金がかかるイメージです。

 

全く関係ない消費者からすれば、「オーナーの利益のために法律を作るのは反対だ。」という方も出てくるでしょう。

賃貸管理にかかわる「消費者」というのは賃借人です。

オーナーは「事業者」ですから該当しません。

賃借人は「借地借家法」「消費者契約法」などで守られています。

既に賃借人という「消費者」を守る法律があるのに、事業者であるオーナーをなんで守る必要があるのか?という議論も出てくるでしょう。

 

そう考えると、「登録制度」というのが今のところ限界なのかも知れませんね。。。

 

 

 

ではまた。。。

 

 

 

賃貸管理会社の種類

賃貸管理会社と言っても運営会社によって違いがあります。

 

ですので各運営会社のタイプごとに特徴を書いてみました。

 

 

1.街の不動産会社系

おもに街の不動産屋さんが行う賃貸管理ですが、地元のアパート、マンションのオーナーさんから委託されることが多いです。

都内だとあまり賃貸募集情報を他の業者へ公開しないことが多いのが特徴的。

理由は、仲介手数料を自社で独占したいからなんです。

仲介会社は自社で独占できますが、他社への情報開示がないので、空室の長期化へつながることが家主のリスクでもあります。

 

 

2.大手仲介会社系

直営店とフランチャイズがあり、街の不動産屋さんと競合することが多いです。

古くからの不動産屋さんが大手のフランチャイズになるケースもあります。

フランチャイズは看板が大手になっただけでやっていることは街の不動産屋さんとなんら変わらない場合も。。。

直営店は賃貸管理の専門部署があり、いくつかの支部に分かれて管理を行う会社もあります。

基本的には事務的な対応がほとんどになります。

 

 

3.建築会社系

自社で建設したアパート・マンションの賃貸管理部門。

〇〇年一括借り上げなどを売りにする会社もありますが、あくまでも建物を建てて儲けるためのメニューとして。

管理部門が全くの別セクションとなり、営業マンの賃貸管理にかんする知識はほぼない等しいの実情です。

会社はあくまでも建物を建てさせるのが営業マンの使命と考えているので、建築後に営業マンに相談しても即答できない人が多い。

 

 

4.投資用マンション販売会社系

投資用マンションを販売するためのツールとして、賃貸管理部または別会社で賃貸管理会社を設立しているケースが多いです。

自社で販売した投資用マンションを管理することで、『売って終わりではない』ことをアピールする目的がほとんど。

あくまでも自社で販売したマンションのみを管理するため、同マンション内で空室が複数出た場合にはいろんな事情が交錯する。

買い増しできるオーナーか否かで優先順位が決まることもあるし、長期に空いている部屋へ他の部屋の申し込みを振り替えることもあります。

いろいろあるので、またいつか書きます・・・。

 

 

5.独立系

賃貸管理でのサービス勝負なので、シンプルでわかりやすいです。

会社の生い立ち(社長の出身業界など)によって考え方も違うので各社で特徴がさまざま。

当社もここに属します。

能力が高い会社を見つけるのが難しいですが、見つかればこれほど心強い会社はありません。

 

 

さりげなくアピールしておきます。。。

 

 

ではまた。。。

 

 

賃貸管理ブログスタート

本日より賃貸管理ブログがスタートいたしました。

 

このブログをどんな方に読んでもらうか。

どんな方が読みたくなるか。

アパートのオーナー?

マンションのオーナー?

それとも転勤で家を貸す方?

やっぱり投資家?

 

じつは上に書いた全員の方が対象です。

対象は『不動産を貸す人』なんです。

 

そしてこのブログに出会って良かったと思えるよう、

有益なブログにしていこうと思って書き始めています。

 

すでに不動産業界に身を置き10数年。

酸いも甘いも経験してまいりました。

 

マンションも売りました。

戸建も売りました。

仲介もやりました。(今もやってます・・・)

そして賃貸管理の会社を作りました。

 

賃貸管理業界へ転身して今年でもうすぐ6年が経ちます。

おかげさまで良いことも悪いことも見てきました。

そして賃貸管理の重要さを実感しています。

 

不動産販売がハードウェアとするならば、賃貸管理はソフトウェア。

とても目立たない業種です。

 

 

でも・・・

 

 

実は賃貸管理業務というのは不動産を貸す時だけではなく、買うときにもその力を発揮するんです。

賃貸管理会社として不動産を見るようになってから、見える景色がガラリと変わりました。

 

そして何よりもリスク管理能力が高くなり、買っていい不動産と買わなくていい不動産がわかってきます。

これは感覚的なものではなく、数字で判断することもできるのです。

 

不動産を知るなら

不動産投資をするなら

まずは賃貸管理を知ることが成功への近道になるでしょう。

 

 

ではまた。。。