築46年!一棟マンションのリフォームプロジェクト②

さて、前回お伝えしましたリフォームプレジェクトの続きです。

すでにボロボロの物件だということはお伝えしましたが、簡単な概要もお伝えしようと思います。


腐食した階段の鉄骨

 

山手線の駅から歩いて6分の場所に建つこのマンション。

構造は鉄骨造。

1階には店舗が入り、2階から4階までが住居となっています。

エントランスもなく、吹きさらしの鉄骨階段。

メンテナンスもきちんと行われていないので、見た目

もボロボロ。

 

 

雨漏りも発生している。

雨漏りによる内壁の腐食


 

共有部分の照明は1フロアしか点かず夜は薄暗い。

その為か、入居中の1部屋は電気を点けっ放しで仕事に出かけてる模様。

窓からの明かりが唯一の頼りといった感じです。

 

もともとの間取りは各フロア1DKタイプと2DKタイプの2部屋。

 

風呂はバランス釜で、賃貸中の部屋は1DKが賃料65,000円、2DKが72,000円です。

住居用6部屋のうち2部屋が賃貸中でしたので、残りの4部屋全てをリフォームしました。

 

 

 

 


入居中の部屋の設備に関しては中が見れませんので分かりませんが、

空いてる部屋と同じく和室にバランス釜のお風呂かと。。。

 

 

 

 

家主さんへのリフォーム工事提案時の目標家賃は10,000円アップに設定。

実際は1DK(約24㎡)で15,000円前後、2DK(約32㎡)で20,000円以上もアップする事に成功したのです。

一般的によく行われるリフォームは、空室率の改善と原状の賃料維持を目標にすることがほとんど。

それなりに費用はかかりますが、ほとんどの場合、やはり相応の効果と言ったところでしょうか。。。

根本的な事に気付かない限り、効果は短命で終わります。

費用をかけたのに効果が上がらないという場合、費用のかけ方が間違っている場合がほとんどです。

 

ではなぜ今回のリフォームが大幅な賃料アップを成し得たのか?

その辺りをお伝えしたいと思います。

まずは間取りです。

もともと面積が小さい割に部屋が区切られており、天井も低いためとても窮屈に感じます。

特に2DKは洗濯機が置きづらく、キッチンは玄関に立たないと調理ができない。

これをそのまま綺麗にしてもなかなか借り手はつかないでしょう。

人が生活しやすい間取りでは無いからです。

また、1DKについても、天井からの下がり壁により圧迫感があり、古さ故の建具の低さがより窮屈さを印象強くする。

さらには洗濯機を置くスペースが狭く、かなり小さいものじゃないと置く事が出来ない。

引っ越す方がわざわざ買い換える必要があるというのはかなりのネックです。

まず、リフォームを行う時にはこの生活者目線が重要です。

動線や使い勝手は賃貸経営に直接的に影響します。

なぜ私がここを重要視するのかというと、これが『決まらない理由』だからです。

賃貸管理を行っていると、借り手が付かない理由が分かるんです。

弊社では、内見が何件も入っているのに契約に至らない物件がある場合、その理由をお客さんや仲介さんに聞きます。

そうすると、だいたい想定していた回答が帰ってくるのです。

だからリフォームを行う部屋は『断り文句』を逆手に取って改善するわけです。

今回はもともと管理していた部屋ではありませんが、こうしたノウハウが蓄積されているので部屋を見たときにすぐにわかるんです。

特にリフォームというと、水回りの新規交換や、和室を洋室に・・・という内容を思い浮かべる方が多いと思います。

でも、いくら水回りを新しくしても本当に改善されたかどうか?

もちろん水回りを新規にすると反応は全然違います。

そこも踏まえて、物件の根本的な問題かどうかが重要なんです。

1DKの部屋

室内側から見た写真

 

 

 

 

 

キッチン脇の狭い洗濯機置場

玄関が調理場のキッチン

 

 

 

 

 

改めて言いますが、大事なことは生活者(住む方)の目線です。

これは新築や中古のマンションを購入するときにも必ず重要視しなければいけません。

なぜなら貸す時、売る時に大きな差が出るからです。

賃貸で重要なのは生活しやすいかどうか。

その生活が賃料に見合っているかどうか。

このバランスで決まります。

古ければ古いなりの見せ方もありますから、決してモデルルームのように玄関を開けたら新築のような内装にする必要はありません。

今回、弊社で行ったリフォームは

1DK ⇒ 1R

2DK ⇒ 1LDK

このように変更しました。

もともとの面積を考えての変更です。

1Kが主流の昨今ですが、移動に制約のある水回りの配管の位置やその他の使い勝手を考えると、無理して1Kにするよりも思い切ってワンルームにしたほうが開放感が全然違います。

2DKについても、洗濯機置場のスペースが無かったり、無駄なデッドスペースがあった為、部屋のドアを1つ潰して壁を作り、そこに洗濯機置場を設けるなどして使い勝手を改善しています。

また、建具を1つ無くすことにより、コストダウンする狙いもあります。

実際にどのようになったかと言うと・・・

1DKを1Rに変更

 

壁を取り払い開放的に。

 

 

2DKを間取り変更してスッキリと。

2DKを1LDKに変更

 

2DKを1LDKに変更

 

 

 

 

 

 

 

その他にも予算が無いために細かいものは手作り。

以前の工事で余ったフローリングをカットしてフックを付けハンガーにしたり

下駄箱を寸法に合わせて自作したり

棚板作ったり

細かいものは各職人さんに頼むと思いのほか費用がかさみますが、予算が厳しいときは自作してコストを削ります。


 

見た目も使い勝手もいいので便利です。

材料はホワイトオークのフローリングです。

 

 


キッチン位置を移動して空いたスペースに収納棚。

何に使うかは入居者次第。

全て合板ですが、マンションのグレードを考えても充分です。

前みたく玄関で調理することもなくなります。

扉は無いですが、収納力は格段に上がります。

 

 

 

外部も明るくスッキリと。


古めかしく床もボロボロ

ここは色味で遊びます。

 

 

 

 


消火器も設置して消防法にも対応。

 

 

 

 

 

 

さて、大まかにではありますが、今回のリフォームをご紹介させていただきました。

まだまだお伝えしたいポイントはありますが、やり方によっては賃料が劇的に上がる可能性があるということを少しはお分かりいただければ嬉しいです。

通常であればリフォーム費用がかかった分、購入コストが高くなりますので利回りが下がりますが、今回は利回りも維持できてます。

そして何よりも長期的な空室率の改善ができる仕様にしてますので、費用対効果は高いでしょう。

『満室想定利回り』と『現況利回り』

これは物件購入する際のポイントでもありますので、また機会があれば書きますね。

 

ではまた。。。。

 

 

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